Dental Products News199

Dental Products News199 page 11/28

電子ブックを開く

このページは Dental Products News199 の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
Dental Products News199

過度のテーパー形成はクラックやクレイズラインの発生を起こし、長期的な咀嚼等のストレスや再治療による歯根破折が危惧されている。つまり、残存歯質を温存しつつ充分な形成を行う必要がある。このような理由でこれら3種類を使用し歯根破折を防止しつつ、根管洗浄効果も期待できる形成手順を実践している。では実際の形成手順は、先ずアクセスキャビティー3)を行い、次いでストレートラインアクセス4)を付与し、ネゴシエーションを行う。このネゴシエーションの過程では、根管の湾曲の程度や根管長のおおよその計測、そして穿通性を確認する。この後、根管長測定器にて作業長を決定し少なくとも#15Kファイルにてグライドパスも完成させておく。この場合の器具操作はキリモミを行うようなウォッチワインディングモーションにて行う。これは次に使用するニッケルチタンロータリーファイルの破折リスクを軽減させるためにも重要で慎重に行う。根管口部は#25/08のオリフィスオープナーで抵抗のある所まで形成する。そして#15/04を作業長まで充分形成し、これ以降のファイルはこの軌道を利用し、同じ作業長を厳守し順に大きなファイルにて形成を進めていく。その際の器具操作はGentle Pecking Motion 5)にて行う。手順は#25/04→#25/06→#35/04→#40/04とし、最終形成をこのサイズの基本とし症例に応じてテーパーやMAF 6)を大きくしたり小さくしたりする。しかし#25/06が作業長の2mmアンダーまでしか届かない、またはそれに近い状態であれば無理にこのサイズのファイルを作業長まで押し込むようなことはせずに、.02テーパーのNi-Ti手用ファイルに持ち替えバランスドフォースにてステップバック形成で終了させるようにする。R相を用いた新しいニッケルチタンロータリーファイルであるこのK 3 XFは以前の欠点を補える部分もあるが、使用法を間違えると思わぬ事態も招くので注意事項は必ず守り丁寧な治療を心掛けて頂きたい。図9図10近心2根と遠心頬側根は治療されているが、遠心舌根側は手つかずの状態である。図11図12CBCTによる診査:根尖病変を有し感染の度合いが高い遠心舌側根と病変が存在しないその他の根管。図13再治療根管とイニシャルトリートメント根管の作業長決定:イニシャルトリートメント7)根管はApexでの撮影である。遠心舌側根を#40/04で形成を終了した。根管充填後のデンタルX線写真。用語解説1)コア材の直径が一定ではなく徐々に変化している。2)一度作業長が決まればその長さのまま号数の細いNi-Tiロータリファイルから大きいサイズに移行する形成方法。3)髄質開口4)根管口部のエンド三角を取り除き器具操作及び洗浄効果の向上を目的とした根管形成のステップ。5)エンド用エンジンを用いたNi-Tiロータリファイルのライトタッチ感覚でのペッキング操作。決して無理に押し込むような操作でない。6)最終拡大号数7)抜髄や失活歯のような初めて根管治療を行う症例。