Dental Products News198

Dental Products News198 page 23/28

電子ブックを開く

このページは Dental Products News198 の電子ブックに掲載されている23ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
Dental Products News198

られた。当臨床例の可撤性局部義歯の維持様式は歯牙―歯槽骨維持で、下顎右側は図に示すようにリテンションの内冠がある歯牙維持と反対側の下顎左側は歯牙欠損で粘膜-歯槽骨維持である。それ故に機能時の義歯沈下量は左右で違いがある筈であるから、硬化の早いライナーは裏装操作を誤ると機能時に義歯がローテーションを起こすことがある。しかし当ライナーはそれらの懸念がなく粘膜-歯槽骨維持の総義歯(単一沈下量)と同様に好結果が得られた。このことは局部義歯の受圧様式の違いによる沈下量の差に関係なく適応する優位性があった。そして最終的には一般の即時重合レジン程度の硬さが得られた。考察欠損部位の受圧機能時の沈下量が違う条件にも関わらず咬合学的、生理学的な順応性が容易に得られたが、リライン後の1~3日間は材質が柔らかいために義歯洗浄の取り扱いが難しいとの患者の指摘があった。また、疼痛もなく食物残渣の進入がないことで使用時の不快感が無いことの評価が高い。当材料の硬化挙動に影響を与える因子は口腔内温度、口腔内義歯装着時間、保管環境温度が挙げられるが、これらは裏装材に加わる熱量に関するもので硬化速度を左右する。これをクリアーする検討が今後の課題となっていることは喜ばしい。図10新生面を出す図11ニューソフトコート塗布図12リプロライナーの流し込みリプロライナー使用前にカーバイドバーなどで、床粘膜面と床辺縁部を一層削除して新生面を出す。リライニング面の全体に、接着剤となるニューソフトコートを塗布する。塗布後なるべく早くにリライ操作をする。所定量で混和したリプロライナーを練和から1~2分で義歯内面に流し込む。口腔内に挿入し、4~5分で取り出しが可能になる。図13口腔内へ挿入図14余剰分の除去図15表面滑沢材塗布当材料は流動性が高く、口腔内に挿入するときに垂れ落ちやすいので、患者に材料の特性を説明しておく。当日はまだリライニング材が柔らかいので、余剰部分をハサミやデザインナイフ等で切り取るだけにする。水洗し充分に乾燥させ、表面滑沢材としてニューソフトコートをむらなく塗布する。塗布面は、やや刺激があるので充分に乾燥した後、水洗し装着する。図16最終調整図17艶出しと表面保護図18最終硬化リラインから1週間は超軟毛ブラシ併用による水洗いのみにしてもらい、1週間後硬化してからカーバイドバーでトリミング、研磨の最終調整をする。しかし完全硬化していないためリプロライナー表面は艶が出ないのでニューソフトコートで艶出しと裏装材の表面保護をする。口腔内の温度によって重合反応が自発的に始まり、1週間前後かけて徐々に硬化が進み最終的には通常の即時重合レジン程の硬さになる。図19リテンション部の明確な再現図20口腔内セット維持装置となる内冠部分もしっかりと薄くリラインでき、RIDのリテンション部も明確に再現可能となり、リプロライナーの特性が発揮できた。咬合受圧様式の相違に関係なくリライニング後の安定、固定が得られ、患者に満足してもらえた。