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リプロライナーの可撤性局部義歯への有効性を検証するリプロライナーの活用細山愃歯科医師小高一真歯科技工士細山歯科?新潟県燕市開業はじめにリベースやリライニング材としてのリプロライナーの有効性は既に紹介されているように、機能時での筋肉、粘膜、歯槽の動的変位を可撤性義歯に的確に表現して使用時の疼痛の軽減や安定維持が容易にできることである。今回、機能時の粘膜、歯槽骨圧縮比が異なる可撤性局部義歯にリプロライナーの有効性を検証した。材料と方法材料の使用説明は図の解説で述べる。咬合受圧様式が歯牙-粘膜骨維持の可撤性義歯の内面及び歯肉歯槽粘膜境界部を含んだ面を切削バーで一層削除し、その面にニューソフトコートを塗布して裏装材の固定を図る。塗布後、軽く乾燥して所定量で混和したリプロライナーをリベース面に流し込む。当材料は流動性が高く口腔内に挿入する時に垂れ落ち易いので、患者に材質の特性を説明しておき4~5分口腔内で保持させる。その後、口腔から取り出し柔らかな余剰ライナーが内面に巻き込まれないように注意深くハサミやメスで除去する。その後、ニューソフトコートで艶出しと表面保護をし、ライナーが完全に硬化する1週間後の再来院時に最終調整と研磨をする。結果リプロライナーは処置過程での疼痛がなく、直ちに義歯の安定、固定、吸着力が得図1リプロライナー図2術前図3術前動的リライニング材リプロライナーの器材を示す。リプロライナーを使用し、リライニングの対象となる下顎RID(Re-InforcedringDenture)の術前。右側は局部義歯支持装置の内冠で、左側は歯牙欠損で局部義歯支持は粘膜、歯槽骨であり荷重時の被圧変位量の左右相違が予測できる。この条件でリライニングを行う。図4ファインキューブ画像図5左右の床形態の差図6RID義歯3次元の実像を示すが、左右残存骨欠損レベルに大きな違いがあり、リライニング材の特性と技法が問われる。咬合受圧様式が歯牙、粘膜、歯槽骨のため、左右で床形態が大きく違っている。一般的には、左側は床形態を拡大して受圧面積を大きくし機能時疼痛を防止する。RIDはリングとフレーム補強の義歯で、クラスプがなく義歯安定、固着、審美も得られる構造である。図7固着・固定が得られる形状図8リラニングが容易に可能図9咬合のチェック受圧床外形が歯槽骨頂部をわずかに越える程度で小さく、固着、固定も充分得られ、不快感が軽減される形態である。RIDはコーヌス冠がなく、内面のリング、フレームがレジンで被われているため、リライニングが安易に可能であり、リプロライナーの優位性が充分に発揮できる。床のリライニング時には、リプロライナーの使用で咬合を狂わせないようにチェックをしておく。