Dental Products News198

Dental Products News198 page 13/28

電子ブックを開く

このページは Dental Products News198 の電子ブックに掲載されている13ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
Dental Products News198

rpmでの使用を求めている。3)HP(カーバイト/スチール)バーあるいはCA(カーバイト/スチール)バーについては、3万rpm以下(図5参照※3)であり、マイクロモータHPの使用となる。4)HP・CAダイヤモンドポイント/カーボランダムポイントについても、3万rpmまたは5万rpm/3万rpm(図6参照※3)であり、上記と同様マイクロモータHPの使用となる。バーの種類とハンドピース上記の1)~4)を「シャンク形状(径を含む)」とハンドピースの関係で整理してみます。刃物の選定は、通常、被削材(歯)と加工機械(ハンドピース)によって決まります。エアタービンが普及する昭和45年(1970年)までは、歯の切削は、最高回転速度が3,800~4,000rpm(のちに20,000rpm)の電気エンジンで行われており、スチール系のバーまたはカーバイトバーを用いた罹患象牙質または象牙質の切削が主でした。この様に、被削材が罹患象牙質または象牙質、加工機械が電気エンジンという条件によって、刃物はスチール系のバーまたはカーバイトバーが導き出されます。電気エンジンから進化したマイクロモータHPは、象牙質、軟化象牙質、レジン、軟質金属、形成面の仕上げ※4を低速かつトルクで切削することを得意とする特徴を受け継いでおり、定格回転速度が等速タイプでは4万rpmであることからして、HPバーあるいはCAバーで最高許容回転速度が3万rpmであることは合理性があります。次に、FGダイヤモンドポイントですが、これは、歯の硬組織(窩洞の穿孔、インレー・オンレーの形成)※4、硬質金属の切削を超高速で削るエアタービンのために開発されたものと言えるでしょう。シャンク径がφ1.60(mm)であることと、マイクロモータHPでは切削速度が足りないことがそれを示唆しています。よって、当該ポイントの最高許容回転速度が、30万あるいは45万rpmであることも納得できます(各々の速度は、ボールベアリングタイプおよびエアベアリングタイプの実負荷時速度に相当する)。最後に、FGカーバイトバーですが、エアタービンおよび増速FGコントラHPへの装着を想定しているものと考えられ、本例(図4参照※3)では、刃部のサイズ・径も小さいので問題ありませんが、他社の例ではサイズ・径の大きいものがありますので注意が必要となります。また、根管口拡大用のバーは刃部が長いので特に注意が必要です。必ず、エアタービンおよび増速FGコントラHPの添付文書で使用できるバーを確認しなければなりません。まとめ本稿では触れませんでしたが、大学の臨床教育現場では感染根管治療の術式において、ラウンドバーで天蓋の除去や髄室の開拡を行う時や、ゲーツグリッデンドリル、ラルゴドリル、ピーソリーマーなどの根管拡大器具で根管口の漏斗状拡大を行う時には低速エンジンを使用するように指導されています※5。是非今一度、ご自身がお使いのポイント・バーの添付文書、ホームぺージおよびカタログなどで「最高許容回転速度」をご確認いただくと共に、併せてエアタービンおよびマイクロモータHPの添付文書で使用できるバーのご確認をお願いします。最後に、本稿が安心安全な診療の一助とならんことをお祈りいたします。参考資料※1株式会社日向和田精密製作所の商品カタログ「MaryDia」より転載※2製造物責任法(PL法)とは、製造物の欠陥により損害が生じた場合の製造業者等の損害賠償責任について定めた法規のことをいう。民法で損害賠償を請求する際には、被告の過失を原告が立証する必要がある。しかし多くは、過失の証明が困難であるために損害賠償を得ることが不可能になる場合があった。そこで同法では製造者の過失を要件とせず、製造物に欠陥があったことを要件とすることとした。これにより、損害賠償責任を追及しやすくした。※3株式会社松風のホームページより転載※4「改訂これからの歯科医院快適な診療室をつくる」(表6-3被削材と切削器械の概念)学建書院※5第3版エンドドンティクス208-209,221(永末書店)図4:FGカーバイトバーの例図5:HPカーバイトバーの例図6:H P・CAカーボランダムポイントの例