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格会議ISO TC106(Dentistry)でも「ダイヤモンドバー」といわれることがあり、「バー」と「ポイント」を明確に区別しない場合もあります。最高許容回転速度シャンク形状、切削部の構造によって制限されてくるのが、いわゆる「最高許容回転速度」です。国内の何社かを調べてみましたが、数社のホームページやカタログには、「推奨回転数」や「最高回転速度」と、表現こそ若干違うものの、「最高許容回転速度」と解せるものが記載されています。皆さんは、ご自身で使用されているポイントあるいはバーの「最高許容回転速度」をご存じでしょうか?この「最高許容回転速度」は、エアタービンやマイクロモータH Pに装着・使用する際に回せる最高回転数であり、“この回転数以下で使って下さい”とバーメーカーが独自に定めたものです(図1参照※1)。回転体には「危険速度」というものがありますが、一つの例として、洗濯機で脱水を行う際、所定の速度に達する途中で振動が生ずる速度(回転数)が挙げられます。この例のとおり、通常は所定の速度、または使用する速度範囲に達する前に通過してしまうように設計されているので問題は生じません。では、どうやって「最高許容回転速度」を設定したのでしょう。一つの仮説として、「危険速度」での高次の共振の発生を根拠としていると考えられますが、有力なのは、ポイントやバーをエアタービンやマイクロモータHPに装着した時の、振動や抜けを経験からまたは実験から求めたのであろうと考えられます。そして、「最高許容回転速度」が設けられたことにより安全性が高められたと共に、使えるハンドピースが従属的に決まってくるという一面があります。余談ですが、筆者らが初めて「最高許容※2回転速度」を目にしたのは、製造物責任法いわゆる「PL法」が公布された1994年7月頃だったと記憶しています。施行は翌年の7月1日からで、いち早く対応したバーメーカーのカタログにFGダイヤモンドポイントの「最高許容回転速度」が記載されました。当時、エアタービンの無負荷回転速度(最高回転速度)より低い速度が記載されていたために、エアタービンのJIS規格を審議していた委員の間で話題になりました。バーの種類と最高許容回転速度ポイントやバーのホームページやカタログの内容をまとめた結果は以下のようです。1)FGダイヤモンドポイントは、最高許容回転速度が30万回転毎分(カタログ上rpmと記載されているものがあるので以後、rpmという)あるいは45万rpmのものが一般的(図2参照※1)であり、エアタービンおよびFGコントラHPでの使用を求めている。さらに、16万rpm以下(12万rpmを含む)の表示のものは切削部が特殊な形状であったり、根管口の拡開等を意図したもの(図3参照※1)であり、この例では等速コントラH Pで2,000rpmの使用を求めている。2)FGカーバイトバーは、最高許容回転速度が30万rpmあるいは45万rpm(図4参照※3)が一般的であり、エアタービンおよびFGコントラHPでの使用を求めているが、根管口の拡開を意図したバーなどについては、さらに回転速度の遅い16万~30万図2:ラウンドエンドテーパ形状の例図3:エンド用ダイヤモンドバーの例