Dental Products News197

Dental Products News197 page 4/28

電子ブックを開く

このページは Dental Products News197 の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
Dental Products News197

タービンとマイクロモータその性格と使い方を考察するちょっとしたコツで大変身!タービンとマイクロモータの上手な使い方!第1回中嶌裕明海大学歯学部歯科生体材料学分野教授長谷川健嗣明海大学歯学部歯科生体材料学分野非常勤講師エアタービンとマイクロモータは日本ではいつ頃生まれたのかご存じでしょうか?その生い立ちを知るとエアタービンとマイクロモータの性格が分かってきます。その性格が理解できれば性能を十分に発揮させることができます。電気エンジンの誕生エアタービンとマイクロモータの歴史をひもとくと、マイクロモータの前身である電気エンジンの誕生から始まります。国産電気エンジンは、昭和14年(1939年)にヨシダで生産が開始されました※1。当初の製品はリッター型と言われるもので、最高回転速度は毎分3,800~4,000回転で3段ないし4段の制御方式でした(図1)。それ以前(1931年)は、輸入品の電気エンジンをヨシダ社製ユニットに装備して使用されていました。エアタービンの誕生昭和33年(1958年)に、わが国初のエアタービン“エアロマット”が誕生、翌年にはユニット用エアタービン“ミゼットS”(図2)が誕生しています。試作品としては、前年にはすでに誕生していましたが、この年「アメリカから高速切削の器具が入ったと聞いて見に行ったところ、試作品とほぼ同じ構造だった。」と言うエピソードが残っています。ちなみに回転速度は、30万回転毎分(無負荷時45万回転毎分)と現在と同様の回転速度を実現していました。エアタービンは歯科医師、患者が待ち望んでいた高速切削による治療の能率化と痛さからの解放を可能とした画期的な器械となりました。昭和45年(1970年)にはエアタービンの普及が全国的に行き渡ったことから、このエアタービンと歯科麻酔の発展をベースに、従来の一本ずつの歯の治療から一口腔を単位とした治療へと変化したといわれています。マイクロモータの出現マイクロモータは、別名マイクロエンジンと呼ばれることからも分かるように、電気エンジンが進化したものです。ベルト掛け駆動であったエンジンから滑車が無くなり、ハンドピースと小型直流モータが接続した構造となりました※2。現在、治療用では、ハンドピースとモータが着脱可能となっているものが一般的です。回転速度は4,000~40,000回転毎分(無段変速)が主流ですが、数年前から最低回転速度が100回転毎分程度にできる製品も出現しています。マイクロモータとエアタービンの違い前述のように電気エンジンは、エアタービンよりも古くから生産されていましたが低回転仕様でした※3。昭和40年代に入ってマイクロモータが出現しても、最高回転速度40,000回転毎分と低速回転※3であることは変わっていません。一方、エアタービンは30万回転毎分(無負荷時45万回転毎分)と当初からの超高速回転のままで今日に至っています。マイクロモータとエアタービンの最大の違いは、低速回転※3と超高速回転※3であることNSpeed回転速度[min -1]No無負荷回転速度No-load speedT-N特性T-N characteristicTs起動トルクStarting torque図1:電気エンジン(1939年)左:日本で最初のエアータービン「エアロマット」右:ユニット用に開発したエアータービン「ミゼットS」タービンハンドピーススカイロードSDC1マイクロモータハンドピースキュアオール40L+マイクロモータ40H図2:エアタービン(1958年)図3:エアタービン/マイクロモータハンドピース図2図3図4TトルクTorque[mN・m]図4:一般的な直流モータのT-N特性