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ベアー縫合糸の活用なぜベアー縫合糸を使うのか?山下素史山下歯科歯周再生インプラント研究所?福岡県福岡市開業どのような縫合糸を使用するか。これは、我々が外科手術を行うにあたり考慮しなくてはならない問題である。インプラント手術や再生療法などセンシティブな術式においては、従来の絹糸では組織反応性が強いこととプラークによる感染が問題となり、合成糸の使用が必須となる。さらに、撚り糸かモノフィラメントか、この点も考慮する必要がある。編み糸の特徴としては、しなやかさがあり結び目がほどけにくいということが利点であるが、欠点としてその繊維と繊維の間に細菌が侵入し感染する可能性がある。一方、モノフィラメントの糸は、細菌に対する感染性は少ないが、しなやかさに欠けるため、縫合しにくく結び目がほどけやすい。このベアー縫合糸は、その両方の特性を備えた糸であると言える。つまり、ポリエステルの撚り糸であるため、モノフィラメントのナイロンよりしなやかで、絹糸よりコシがあるので非常に縫合がしやすく、引っ張り強度に優れているため切れることがない。また、結び目がほどけにくく糸の断端による不快感もない。さらに、撚り糸の欠点である細菌の侵入に対しては表面にシリコンコーティングを施すことで、感染を最小限に抑えている。緑色の糸は歯肉の補色であり、識別しやすいことも特徴の一つである。症例1再生療法における症例図1:ベアー縫合糸図2:2~3週間抜糸を行わないエムドゲインR療法などの再生療法にも適している。図3:改良型垂直マットレスにて縫合。糸が伸びることなく、しっかりとした縫合ができる。図4:術後3週抜糸時。プラークの付着が少なく組織に炎症はない。また、結び目も全く緩んでいない。症例2結合組織移植による根面被覆の症例症例3CO2レーザー照射図5:結合組織移植による根面被覆。引っ張り強度があるので、垂直縫合やマットレス縫合にも適している。図6:術前図7:術後1年図8:フラップ手術後、CO2レーザーを照射。ナイロン糸のように当たるだけですぐに切れてしまうことはない。視認性にも優れている。症例4ソケットプリザベーションの症例図9:抜糸後、ソケットプリザベーションを行った。図10:骨再生促進のため骨補填材を填入する。図11:針の滑りが非常に良く、臼後部も縫合しやすい。図12:糸自体にしなやかさがあるため、患者の違和感も少ない。