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によるTFファイルが発売されています。TFは柔軟性が高く・交換時期が把握し易いため、湾曲根管において安全に使用できる優れたファイルですが、ねじり加工ゆえ断面は三角形の単純な形態をしています(図2)。切削加工により作られたK3 X Fのようにラジアルランドがないために、根管内で長時間回転させることや、上下運動(ブラッシングモーション)を行うと根管の変位を起こす可能性がありました。現在、私はK3 XFとTFを併用して表1のような基準に沿って根管拡大を行っております。根管は様々な形態をしており、単一のルーティーンではそれに対応することはできません。またファイルの回転だけでは拡大できない部位に対し、NaOClとEDTAの交互洗浄とファイルの上下運動(ブラシングモーション)を併用することにより、化学的拡大の効率を上げ複雑な形態に対応します。太い根管は拡大不足を起こさないように、湾曲根管は極力湾曲を減少させるような形成に心がけています。根尖部においてはK3 XFを弱湾曲、TFは強湾曲の根管と使い分けています。その判断基準は押し込むことなくK3 XFを挿入し、その深さで0.10・0.08・0.06と順次テーパーを下げたクラウンダウンによりブラッシングモーションで拡大し、作業長に到達した時点で拡大を終了します。湾曲が強く作業長に達しなければ最後にTFを使いますがK3 XFになって柔軟性が向上したため、TFまで使用することなく、K3 XFにて無理なく拡大形成ができることが多くなりました。根尖部の湾曲はレントゲンにより予め全て把握できるものばかりでなく、今回の症例で挙げたように根充して初めて湾曲していたことが判ったことも多々あります(図10)。これを把握せずにラテラル根充のために柔軟性の少ないステンレスファイルで根管形成を行えば、ステップの形成・根尖孔の変位及びマイクロクラックを起こす可能性が高くなります。そのためNi-Tiファイルで形成した形態そのままに根充できるシステムBは、Ni-Tiファイルと最適な組み合わせと私は考えます。図3表1アクセスオープニング(L Aアクセスバーキット)NO.15パイロットファイルの挿入根尖付近まで挿入可根尖付近まで挿入不可根管口明示直後。近心根は単根管にも見える。K3 XF 0.12テーパーNO.25根尖付近まで挿入可挿入不可EMRにて作業長決定ゲーツドリルクラウンダウンにて根管上部拡大NO.15パイロットファイルの挿入根尖付近まで挿入可挿入不可NO.60からのクラウンダウン手用NO.15からK3 XF 0.12テーパーNO.25K3 XF0.06テーパーNO.55NO.50NO.20手用NO.25までネゴシエーションEMRにて作業長決定パスファインディング(MMCファイル)図10NO.45NO.40直線的で太い根管(拡大不足に注意)K3 XF 0.10テーパーからのクラウンダウンK3 XF0.08テーパーK3 XF0.06テーパー直線的で細い根管NO.25NO.25NO.25手用NO.15からNO.20手用NO.25までネゴシエーションK3 XF 0.10テーパーからのクラウンダウンK3 XF0.08テーパーK3 XF0.06テーパーNO.25NO.25NO.25K3 XF0.10テーパー手用NO.15にてパス確認EMRにて作業長決定K3 XF0.08テーパーNO.25NO.25若干の湾曲の根管手用NO.20にてパス確認K3 XF0.06テーパーNO.25それぞれ作業長に達したファイルのサイズで拡大終了。手用NO.25までリキャプチレーション●クラウンダウンによる拡大時には根尖方向に強く押し込まないように注意。●湾曲部にファイルが入ったときには急激に根尖方向に引き込まれるので注意。TF0.06テーパーNO.25根充後:近心根は根と相似形形成されている。遠心根は意外にも大きく遠心に曲がっていた。強い湾曲の根管