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概要

Dental Next Action 7

歯科的視点(歯点)こそが糖尿病栄養指導を変える栄養素指導を捕食・咀嚼指導へ西田亙にしだわたる糖尿病内科(愛媛県松山市開業)院長/日本糖尿病学会専門医公益社団法人日本糖尿病協会が糖尿病患者に発行している糖尿病連携手帳をご存知だろうか?この手帳には「かかりつけ歯科医」との連携や、歯周病の程度、清掃状態、補綴物の状況など歯科の記載箇所がある。これまで歯科に関する内容が4項目だったのに対し、2017年度版では14項目に増え、糖尿病と歯科とのかかわりが糖尿病患者にも浸透しつつある。これまで多くの内科医や栄養士は口腔状況を把握しないまま、一日の摂取栄養素は1400cal、野菜は350g摂りましょうと一律に指導してきたが、「臼歯欠損で咀嚼ができない」「味覚障害で塩分・脂が多いものを好む」ことが原因で、糖尿病が改善されなかった可能性もある。今や、国民病である糖尿病に歯科からアプローチし、医科歯科連携を実現することが求められている。1公益社団法人日本糖尿病協会発行糖尿病連携手帳の歯科項目が大幅に刷新糖尿病連携手帳の歯科の項目には施設名や歯科医師名が記載できる箇所があり、連携歯科医院として認識される。患者は受付でこの手帳を提出するよう指導されているため、受付も含めた歯科医院全体での情報共有をお願いしたい。2H28年歯科診療報酬改定でP処(糖)が新たに登場3歯周基本治療による慢性微小炎症の消退がHbA1cの低下をもたらすCRP(mg/dL)CRP前後差HbA1c(%)HbA1c前後差全国保険医新聞2016年4月25日号●医科より紹介された糖尿病患者(=易感染性)●歯周ポケット4mm以上●歯周治療に併行し、1ヶ月抗生物質を注入P処(糖)14点+薬剤費36点CRP>0.05mg/dLn=42CRP<0.05mg/dLn=520.19?0.06△0.13 7.4?6.9△0.50.02?0.03+0.01 6.9?6.9△0Munenaga Y et al., Diabetes Res Clin Pract 100(1);53,2013糖尿病患者は、歯周治療と併行してP処(糖)が算定できるようになっている。全ての糖尿病患者が歯周治療だけで改善するわけではないが、炎症のある糖尿病患者に対する歯周治療は、「経口血糖降下薬1剤に匹敵する」と言っても過言ではない。