ブックタイトルDental Next Action 7

概要

Dental Next Action 7

開業歯科医師からみた噛めて美味しく食べることができる歯科医療の重要性長谷川嘉昭長谷川歯科医院／東京都中央区開業2000年に掲げられた8020運動は、日本歯科医師会や歯科医師の努力が確実に実を結んだ。近年では歯数だけではない、残存歯が多いがゆえの歯周疾患や根面カリエス予防、機能性の向上が求められる時代となった。さらには、オーラルフレイルを初期段階で改善させることが歯科医院に求められるようになった。これからの時代、デンタルカンファレンスを行い、いかに歯科衛生士や歯科技工士、管理栄養士らコ・デンタルスタッフと情報を共有し、術前診査から一貫して、チームとしてぶれない方針を患者に伝える必要があると考えている。1デンタルカンファレンス2ソーシャルスタイルでタイプを識別外交的感情表現度高いどんな人が（思い・病態・リスク・性格）いつ（どの時点で）どのようなゴールにむけて（最終治癒形態）どのような処置（歯周基本治療・歯周外科）をするのか再生療法切除療法自己主張思考表現度高いプロモーター陽気で社交的／ノリが命／直観的／行動形式ばらない／表現力豊か／話し好き／新しいことを始めるのが得意とりあえず・大体・まぁいいか・深く考えずにドライバー結果第一主義／決断力／単刀直入／早い口調／論理やデータ重視／他人からの指示は大嫌いきびきび・視線まっすぐ・決断・効率ファシリテーター対立避ける／ゆっくり話す／親しみやすい／人間関係重視／協調性／温和／世話好き／先延ばしにするすみません・協力・忠実・合意・遠慮アナライザーデータ重視／分析力／計画的／合理性重視／控えめ／堅苦しい／決定に時間かける／批判的きちんと・ちゃんと・冷静・慎重・十分検討自己主張思考表現度低い内交的感情表現度低いこれからは医科同様、デンタルカンファレンス（歯科医療面接）を行う必要がある。カンファレンスの情報は、歯科医師だけではなく、歯科衛生士、コ・デンタルスタッフ全員で共通認識を持つことが重要。患者のタイプもそれぞれ。会話から性格や思考を読み取り、患者に合わせたインフォームドコンセントが重要。歯科医療従事者はそのスキルを身に付ける必要がある。3各種検査項目のスクリーニング4書籍によるスクリーニングの対策患者が持参する血液検査などの各種検査項目を歯科医師・歯科衛生士が読み取る能力が今後求められる。検査項目の数値を読み取り、薬を理解するために書籍を手元に置いておきたい。全身管理情報を把握し、歯科治療でのリスクを避ける。5 Pg菌線毛の遺伝子型によってリスクが異なる6歯周炎のタイプ分析Pg菌の電子顕微鏡写真慢性歯周炎スクリーニング侵襲性歯周炎低病原性バイオフィルムー不潔性歯肉炎高病原性バイオフィルムPerioリスク：低咬合因子：強咬合因子の強いタイプPerioリスク：高咬合因子：強Perioリスク：高咬合因子：弱Pg菌にも線毛の遺伝子型によってⅠ型からⅤ型に分類され、上皮細胞や歯肉組織中に入り込みかたが変わる。Pg菌Ⅱ型は最も病原性が高く、発症の危険は44倍と報告されている。全身疾患と関連する歯周炎その他のリスク因子の関与※スーパーペリオ塾：水上哲也先生提供菌種・菌数だけを把握する時代から菌の遺伝子型を把握する時代となった。また、オレンジコンプレックスに分類されるFn菌（Fusobacterium nucleatum）が血行性に子宮内へ移転し、敗血症により胎児を絶命された口腔子宮感染症の原因菌と報告されている。歯周炎のタイプは、細菌検査を行い原因菌を特定したうえで、オーダーメードの治療（戦略的歯周治療）が重要となる。