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概要

Dental Next Action 4

口呼吸が体に与える影響今井一彰内科医/みらいクリニック院長/日本東洋医学会認定漢方専門医/日本病巣疾患研究会副会長「歯が大事」と歯科医院に勤務されている方は皆さんそう言うが、歯周病やむし歯がなくならないことも事実である。歯や口腔の健康の大切さはどうして浸透していかないのだろう?「あなたに相談して良かった」「この歯科医院に来て良かった」と言われ、患者さんの全身の健康に関与できたらどんなに素晴らしいだろう。私自身、東洋医学医として、漢方医として、患者の全身に関与していると信じてきたが、実際には薬を処方しつづけるだけで、治せない経験をしてきた。「人はどうして病気になるのだろう?」その疑問を解決してくれたのが、「口」であり、「呼吸」だった。この分野の教育ができるのは、歯科医院なのである。是非、口腔と呼吸、舌の位置に注目し、「あなたに相談して良かった」と言われる医療従事者になって欲しい。1鼻呼吸の大切さは、古くから言われてきた。2口呼吸とはThe tongue lies in contactwith the hard palateand the mouth takes no partas an air-passage慢性的に吸う息か吐く息をどちらかでも口で行う状態さらに習慣性開口も含める舌は、硬口蓋に接しており口は空気の通り道とはならない「Breath Of Life」George Catlin1861「HabitualMouth-breathing」Clinton Wagner1881Tomes CS.On the development origin ofthe V-shaped contracted maxilla.Dental Surgery 1872;1:2.Relaxed tongue(弛緩舌)という言葉が出てきます。いずれも口呼吸の弊害、鼻呼吸の重要さ、低位舌の問題を指摘している。日本でも昭和5年「矯正歯科学理論と実際」(高橋新次郎著)では、「口呼吸」の章があり「アデノイド、その他の鼻疾患たとえば鼻中隔弯曲症、甲介骨肥大。肥厚性鼻炎等のために鼻道が狭窄されて、生気の鼻呼吸をなすことが困難な場合に、口呼吸を営むことがある。一度口呼吸の習慣を得るとアデノイドの摘出その他鼻疾患の治療を行って、鼻道の狭窄が除去されても特殊の処置を行わなければ口呼吸の習慣は容易にやまない~」と記され、鼻呼吸の重要性を説いている。口呼吸は口腔環境悪化ペリオ悪化歯並び悪化心身不調を誘引する3口呼吸の原因4歯科医院で口呼吸をしている患者かを見極めよう鼻性口呼吸?鼻甲介の充血や腫脹アレルギー性鼻炎、気象条件、慢性鼻炎、副鼻腔炎鼻茸、萎縮性鼻炎、鼻中隔弯曲症、腫瘍性変化、(先天性後鼻孔閉鎖)?咽頭の問題病的アデノイド、口蓋扁桃肥大口腔性口呼吸歯列不正、口輪筋虚弱、舌小帯短縮、舌習癖細長い顔出っ歯狭い歯列弓非機能性高張唇舌の突出とうつ病歯の舌の中和クロスバイト前歯部開咬高口蓋、または下下顎骨の下方と後方回転厚い唇狭い上顎富士山型の上口唇その他ポカン口(習慣性開口)、睡眠態癖、気象条件いろいろな原因が考えられるが、一番良くないのは習慣性の口呼吸で「ポカン口」(習慣性開口)で、それが異常であることに気づいていないケースである。歯科医院で、「口呼吸」をしていることと「なぜ口呼吸が悪いのか?」を説明して欲しい。下顎の梅干し状のしわ歯形(歯痕)このような患者がきたら、口呼吸を疑い、鼻呼吸の重要さを伝えよう。02