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概要

DENTAL PRENEUR 2017 Summer

横瀬 敏志教授明海大学歯学部保存治療学分野ネオスフィリオはじめになぜ二波長レーザーが必要か( 波長特性から考える)高出力炭酸ガスレーザーと半導体レーザーなぜ二波長レーザーが必要か?古川 敏子歯科衛生士明海大学歯学部付属明海大学病院日本レーザー歯学会WFLD認定歯科衛生士現在歯科治療に使用されている代表的なレーザーには炭酸ガスレーザー、Er:YAGレーザー、Nd:YAGレーザー、そして半導体レーザーがある。同じレーザーではあってもその波長の違いから性質、用途もさまざまに変わってくる。今回は炭酸ガスレーザー「オペレーザーネオス(以降ネオス)」と半導体レーザー「オペレーザーフィリオ(以降フィリオ)」の持つ波長の特性から、一つの機器に搭載した二波長レーザーを安全に効率よく使用するポイントについて考えてみたい。オペレーザーデュアルウェーブには炭酸ガスレーザー「ネオス」と半導体レーザー「フィリオ」が搭載され、それぞれのレーザーの使用に際し自由度を上げている。特に半導体レーザーのフィリオは小型で本体から分離して使用可能である。さて、ここで二波長がなぜ必要なのかを考えてみたい。この場合レーザーの波長特性を理解する必要がある。よく知られているようにレーザーはレーザー媒体の種類によって放出されるレーザーの波長が異なる。ネオスは炭酸ガスレーザーであるから10.6μmの波長を示し、フィリオは半導体レーザーで808nm(0.808μm)を示す(図1)。この両者を比べると炭酸ガスレーザーは半導体レーザーに比較して長い波長を示す。この波長は水によく吸収され、なおかつ組織にもよく吸収される性質を持つ。したがってレーザーのエネルギーが組織の表面で吸収される性質を持つタイプの図1図2図3放射線X 線半導体炭酸ガスEr:YAGNd:YAGアレキサンドライトルビーエキシマアルゴン紫外線可視光線赤外線10.6μm2.94μm1.64nm808nm755nm694nm487~514nm190~350nm~10nm骨・粘膜の歯肉・粘膜切開治癒促進歯根端切除術歯石除去歯肉蒸散インプラント2次オペ疼痛緩和インプラント周囲炎縫合後のLLLT 照射GTR GBR根管内殺菌消毒炭酸ガスレーザー(ネオス) 半導体レーザー(フィリオ)放射線X 線半導体炭酸ガスEr:YAGNd:YAGアレキサンドライトルビーエキシマアルゴン紫外線可視光線赤外線電波炭酸ガスレーザー(ネオス) 半導体レーザー(フィリオ)炭酸ガスレーザー(ネオス)半導体レーザー(フィリオ)疼痛緩和インプラント周囲炎歯肉・粘膜切開歯根端切除術歯石除去骨・粘膜の治癒促進歯肉蒸散インプラント2次オペ縫合後のLLLT 照射GBRGTR根管内殺菌消毒10.6μm2.94μm1.64nm808nm755nm694nm487~514nm190~350nm~10nm接触炭化層(HLLT)熱変性層(HLLT)組織活性化層(LLLT)炭酸ガスレーザー(ネオス)は表面吸収型レーザーであることから、炭化層、熱変性層、および組織を活性化するLLLT作用は比較的表面に限局する。※HLLT:High-Level Laser Therapy ハードレーザー照射※ LLLT:Low - Level Laser Therapy ソフトレーザー照射一方、半導体レーザー(フィリオ)は組織深達型レーザーであることからLLLT作用は広範囲に比較的深部にまで到達する。放射線X 線半導体炭酸ガスEr:YAGNd:YAGアレキサンドライトルビーエキシマアルゴン紫外線可視光線赤外線電波炭酸ガスレーザー(ネオス) 半導体レーザー(フィリオ)炭酸ガスレーザー(ネオス)半導体レーザー(フィリオ)疼痛緩和インプラント周囲炎歯肉・粘膜切開歯根端切除術歯石除去骨・粘膜の治癒促進歯肉蒸散インプラント2次オペ縫合後のLLLT 照射GBRGTR根管内殺菌消毒10.6μm2.94μm1.64nm808nm755nm694nm487~514nm190~350nm~10nm接触炭化層(HLLT)熱変性層(HLLT)組織活性化層(LLLT)3