ブックタイトルバリューゴルフ9月号　関東版

概要

バリューゴルフ9月号　関東版

　芝草ごと刈り取ってボールを打ち出すショットイメージでは、クラブヘッドを下から上へ、すくい上げスイングが助長されやすいので注意してください。　ラフに沈んだボールは払うではなく、鋭角的にクラブヘッドをドンと打ち下ろす。これがキーワードです。　次に、ボールがラフに浮いているケースでは、手にしたＵＴを通常よりも短く持ちます。ボールが浮いている分、体に近づくのですから、その分、クラブを短く持つことで通常ショットに近づけるのです。打ち方としてはティーアップしたボールを打つイメージ。ですから、クラブヘッドを鋭角的ではなく、レベルに振り抜くことでボールを捕らえるようにするのです。レベルスイングによってボールの下をクラブヘッドがくぐり抜けたり、ボールの頭だけを叩いたりするミスを防ぐことができます。　ラフからのショットには、ボールのライの状イラスト ◎太田 秀明況によって、打ち出し方がふた通りある。夏ラフ対策法の基本をお教えしましたが、残念ながらこれで完璧というわけではありません。芝草の種類や密度、ボールのライの微妙な違いなどによって、結果としてうまく打ち出せないことも予想されるからです。しかし、ミスを悔やむのではなく、そのショットデータを夏ラフ対策の引き出しにぜひ蓄積してください。「あの時よりもラフに浮いている」から、もっとクラブを短く持って打ってみよう。「あのミスショット時よりもボールが沈んでいる」ようだからもっと鋭角的に打ち込んでみよう。これらの経験が後々のショットに必ず役立ってくるのです。　ミスを悔やんでも何も始まりません。ミスを反省し、データ蓄積する。この繰り返しがラフに強くなる最善の策となるのです。1978年３月10日生まれ、群馬県出身。私立前橋育英高校卒業後、ツアープロを目指して研修生となり、01年10月にツアープレーヤー転向。03年にツアーデビュー。06年マンシングウェアオープンＫＳＢカップでツアー初優勝を飾り、同年には全英オープンにも出場。得意クラブはドライバーで、爆発力ある豪快なゴルフが魅力。16年は日本プロゴルフ選手権２位をはじめ、ベスト10入り６回を数え、賞金ランキング13位。ツアー通算６勝。17年は国内メジャー制覇、賞金王奪取の期待が集まっている。身長１７３センチ、体重７６キロ。所属フリー。武藤 俊憲（むとう・としのり）17