Dental Products News 特別号

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歯科の先生に知ってほしい「鼻腔の役割・構造」鼻腔の役割1.嗅覚2.気道……1万~2万リットル/日複雑な構造A.加湿……~85%(7L/min)B.加温……25℃→37℃(7L/min)C.濾過……鼻毛、粘液、線毛運動、くしゃみA.粘液の産生量:0.6~1.8 L/日B.肺に到達するのは直径1μm以下の粒子C.花粉は95%が鼻腔で濾過される豊富な血流鼻腔は、吸気の加湿・加温・濾過機能を担っています。鼻腔がこのような役割を果たせるのは、鼻腔内の血流が豊富であり複雑な構造を有しているからです。鼻腔内は線毛上皮とその表層の粘液で覆われています。吸気中の粉塵や細菌、ウイルスは粘液に吸着され、繊毛運動によって上咽頭へ運ばれます。そして胃へと入っていきます。5鼻腔内7アナトミーからみる鼻腔・口腔・咽頭8上顎洞線毛上皮▲6鼻腔内▲扁平上皮正常の上顎洞内は無菌またはほぼ無菌である。協力株式会社メタ・コーポレーション口腔内は扁平上皮で覆われているのに対し、鼻腔と鼻副鼻腔は線毛上皮で覆われています。耳鼻科領域では、この他、耳管、気管・気管支が線毛上皮で覆われており、外界から入ってくる粉塵や細菌・ウイルスの排泄に線毛上皮は大きな役割を果たしています。91011▲12口呼吸をすると、吸気中の粉塵や細菌、ウイルスなどが肺の中に入り込みます。新生児は口呼吸ができません。これは出生直後の咽頭の形体が原因と考えられますが、免疫機能が十分発達していない新生児期に鼻呼吸することは合理的であるともいえます。アデノイドの大きさは単純レントゲン写真でも確認できます。肥大したアデノイドのために鼻呼吸が妨げられるといびきや睡眠障害の原因となります。また、顔面の骨の成育にも支障をきたし、いわゆるアデノイド(様)願望となります。歯列矯正などの歯科治療にあたってアデノイドや口蓋扁桃を切除する必要があることも珍しくありません。歯科と耳鼻咽喉科は隣接領域を扱いますが、歯科医師と耳鼻咽喉科医との間の交流や情報交換はうまくいっているとはいえません。歯科治療を進めるにあたって耳鼻咽喉科領域の知識が必要となることは珍しくありません。またインプラント治療の合併症の予防やその治療においても耳鼻咽喉科医との協力が必要となることがあります。今後は、よりよい歯科医療を提供するために耳鼻咽喉科医との連携も必要となります。15