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私の日常臨床においても、MTAセメントを使用する機会が増えてきているが、その有用性を通常の根管充填にも応用できたらと考えている先生方も多いのではないだろうか。特に根尖孔が吸収、あるいは破壊されたような症例においては、根管充填時に根尖部の封鎖を緊密に行えるような根管充填剤が理想的であると言える。しかし、MTAセメント単体による根管充填はテクニックセンシティブでもあり、さらに歯冠側からの再治療が困難であるという側面もある。そこで登場したのがMTAフィラペックスである。MTAフィラペックスの特徴としては、?硬化時に膨張(寸法変化:約0.09%)するため、根管の封鎖性に優れている。?CaO(酸化カルシウム)などの無機酸化物が水和物を生成し、硬化過程でCa(OH)2=(水酸化カルシウム)が生成されることで高いpH値を示し、根尖孔部に持続的な薬理効果が期待できる。?骨組織に対する生体親和性に優れている。などの特徴があり、前述したような症例に適用することで、高い効果が期待できる。また、根管治療後の支台築造においては、ファイバーポストとコンポジットレジンの築造が保険適応となり、臨床においてその適用範囲も拡大することが予想される。今回は、根管治療、支台築造の一連の治療に、マイクロスコープ(アレグラ330)、MTAを配合した根管充填用シーラー(MTAフィラペックス)と、酸化ジルコニウムを含有した支台築造用レジン(ルクサコアZ-デュアル)の臨床応用をご紹介したい。図10図11図12レンツロで根管内に送り込み、メインポイントを挿入。根管壁へのなじみも良い。アクセサリーポイントを挿入し側方加圧充填を行った。ヒートプラガーにてカット後、垂直的に加圧し、根管充填を終了。図13図14図15根管充填後。加圧したのにもかかわらず、根尖孔外へのシーラーのオーバーフローは見られなかった。ルクサコアZ-デュアル。ルクサコアZ -デュアルとファイバーポストによる支台築造を行った。酸化ジルコニウムを含有しているため、象牙質と切削感が近似しており、形成面も滑沢に仕上がる。図16図17図18フルジルコニアクラウンを装着。同咬合面観。最終補綴装着時のデンタルX線写真。Dental Products News 219 5