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法は極めて簡便である(図5-1)。患者の口腔内にて、33の舌側歯面をスワブで1回なぞってサンプルを採取する(図5)。このとき、舌や歯肉など軟組織に触れないよう注意する。このスワブをケースに戻して検査液とよく混和し、そのままカリスクリーン本体にセットすれば、約15秒で測定結果が0~9999の数字として表示される。1500以下はう蝕リスクが低く、1500超えでは値が大きいほど高リスク(傾向)である。もちろん、リスク評価はこの数字だけで決まるわけではなく、口腔内のその他の状況を踏まえて総合的に判断する必要があることは言うまでもない。4.カリスクリーン臨床応用の実際●患者:25歳、男性●主訴:歯石を取ってほしい歯石除去を主訴に来院した患者である。治療歴はないもののセルフケアへの意識が低く、口腔衛生管理を歯科医院に依存しているタイプと言える。まず自身での口腔ケア確立の必要性を説き、同意を得た上でリスク評価を行った。初診時の状態を以下に示す(図6~7)。この時点でのカリスクリーンの値は4703、CAMBRA TMにおけるリスク評価はミドルリスクであった。この結果を受けて本人も自身のリスクが意外に高いことに驚き、どう改善すればよいかに興味を示すようになった。治療計画の立案と初期治療を経て、メインテナンスに移行した時点で再評価を行った(図7)ところ、カリスクリーンの測定値は1500以下まで改善した。患者のモチベーション向上により適切な口腔内環境改善が行われた好例であると言えよう。5.リスク管理の新たな可能性カリスクリーンを導入することにより、患者に負担の少ない検査方法で即時性のあるリスク評価結果を提供することができ、結果として患者利益にもつながる。当院では試験的に先行導入して既に手応えを感じており、本邦への本格的普及が一刻も早く実現することを願ってやまない。図4カリスクリーンの仕組みHOSNN SD-LuciferinCOOH+ ATP + O2FireflyLuciferase+Mg2+Light- O O -S N+ PPi + AMP + CO 2N SOxyluciferin図4-1:ホタルの発光と同じ原理。それを測定する。図4-2:ATPによる発光量とMS菌数には強い相関関係が認められた。図4-3:リスクが高いほどATPレベルは高く、DMFTとも相関関係があることが示された。※1参考文献:Iraj Kasimi, Christopher W. Kyles, Jill Pollard, Amy Trevor, Alex H. Vo, Tom Maier and Curtis A Machida「Bioluminescence: Characteristics, Adaptations and Biotechnology (Biochemistry Research Trends)」Correlations of ATP Bioluminescence with Bacterial Number( Plaque + Saliva Specimens): ATP in RLUs vs. Total Streptococci per Specimens「Bioluminescence and Application in Dentistry」13,2011,11,30※2参考文献:S. Do, A. Wong, R. G. Rosivack, M. Mohan1 and C.V. Hughes「Plaque ATP Bioluminescence and Caries Experiencein a Pediatric Population」ATP Bioluminescence and Caries experience「2016 AADR/CADR Annual Meeting & Exhibition」2016.3.16~19図5カリスクリーンのサンプル採取と説明図5 - 1:下顎3から3までの舌側歯面をスワブで1回だけなぞる。図5- 2:スワブの先端部を折り、採取したサンプルと薬液を混和させる。図5-3:10秒間秒間スワブをよく振り、薬液がサンプル全体にいきわたるようにする。図5- 4:歯面から採取したサンプルを測定。図5- 5:15秒のカウントダウンが開始され測定結果が表示される。図5- 6:測定結果は1132(RLU)。Dental Products News 219 15