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電気的根管長測定器ジャスティⅢを考察する私がジャスティⅢを選んだ理由渥美克幸デンタルクリニックK/埼玉県川口市開業歯内療法において作業長を決定するためには解剖学的根尖の位置を把握する必要がある。様々な方法が報告されているが、その中でも電気的根管長測定器を用いると簡便かつ正確に測定できることが示されている。そのため、現在ではその使用は必要不可欠だと考えられている。電気的根管長測定器の測定原理は「口腔粘膜と根管内に挿入したファイル間のインピーダンス(電気抵抗値)はファイルの先端が歯根表面に到達したとき、年齢・歯種による差がなく、ほぼ一定の値を示す」という報告に基づく。実用化に向けて様々な検証が行われたが、特に問題となったのは根管内が血液や高い通電性を有する根管洗浄剤(生理食塩水や次亜塩素酸ナトリウム等)で湿潤している場合だった。これは、乾燥状態と比較して湿潤状態だとインピーダンスが著しく低下し、かなりの測定誤差を生じてしまうことによる。そこで二つの異なる周波数を用い、両者のインピーダンスを測定してその差や比率(商)から根尖孔を決定する「相対値法」が考案され、その方法に則った新しい電気的根管長測定器(アピットやルートZX等)が開発された。この原理を用いると諸々条件による誤差をほとんど無視でき、高精度で解剖学的根尖を検出できる図1ジャスティⅢ図2液晶モニターの角度調整図3収納が簡便ジャスティⅢの外観。オートスイッチ(測定を開始すると電源が自動的に入る)かつフルオート(患者ごとの調整が必要ない)のため、操作は非常に簡単である。液晶モニター部の角度が調整できるため、どんな環境でも見やすい。またメーター自体の動きもシャープでなめらかなため、確実な測定が可能である。コードは本体に巻き取ることができる。またプローブコード等を接続したまま液晶部を折りたためるため、収納にも便利である。図4根尖部の解剖図5生理学的根尖図60.2mm単位での測定象牙質根管CDジャンクションAPEX=AA作業長の先端位置CDJ~AC(生理学的根尖)セメント質根尖最狭窄部解剖学的根尖根尖孔CDJACAA(解剖学的根尖)CDJACAAレントゲン的根尖0.5~1mm根管長測定を考える時に必要な根尖部の解剖。特にCDジャンクション(CDJ)、根尖最狭窄部(AC)、解剖学的根尖(AA)が重要である。生理学的根尖はCDジャンクション(CDJ)から根尖最狭窄部(AC)間に存在すると考えられ、作業長先端はこの部分に設定している。また電気的根管長測定器は解剖学的根尖(AA)を検出する装置であり、APEXを指している時のファイル先端はAAに位置すると考えられる。生理学的根尖を直接検出することは不可能なため、通常はまず解剖学的根尖(AA)までの距離を測定し、次にAAから生理学的根尖までの平均的距離である0.5~1mmを引いた値を作業長として根管の拡大・形成を行う。しかしジャスティⅢの場合AAから3mm以内であれば0.2mm単位で測定が可能なため、作業長決定のためにAAまでの距離を測定する必要がない。