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コンポジットレジンによる前歯部審美修復の適応症は拡大し、小規模の歯冠形態修正から、大規模な歯冠形態回復まで、即日対応可能な治療オプションとして臨床的な重要性が広く認識される状況に至った。しかしこのコンポジットレジン修復による歯冠形態構築の根幹は歯質との強固な接着一体化であることは言うまでもなく、その接着環境の整備が修復予後を決定的に左右する事実は理解されている。修復対象歯牙の残存状況や充填操作上の利便性を考慮しても、すべての症例で接着環境整備に高い有効性を示すのが、圧排糸の活用である。シュアーコードは、マイクロファイバーをループ状に編み込んだ形状で伸縮性が高く、適切なサイズ選択により狭い歯肉溝にもスムーズに挿入が可能である。繊維のほつれがなくコンポジットレジン修復材料への残留の可能性が低い。6種類のサイズ選択が可能で、コンビネーションでの使用も効果的である。コンポジットレジン修復の治療精度向上に寄与する圧排糸活用の3症例を通して提示する。図3:破折片を復位し、充填用のシリコーンガイドを作成。図4:周辺歯牙の窩洞形成後、シュアーコードを設置し接着操作を完了。図5:2隣接面窩洞へのフロアブルレジン充填。(デントクラフトファインフローA3.5)図8:3Dマトリックスとフロアブルレジンを使用した隣接面形態の構築。図9:充填操作が完了するまで、歯肉溝からの出血は確認されなかった。図10:術後。歯頚部歯質と強固に一体化したダイレクトクラウン修復が完了。シュアーコード図3:接着操作完了後、マトリックス挿入スペース確保のため、シュアーコードを挿入。図4:透明マトリックスを歯肉溝に挿入して保持し、コンポジットレジンの充填スペースを確認。#000 #0ループ状のため、操作性がよく毛羽立ちも少ない。番手は♯0000、♯000、♯00、♯0、♯1、♯2までの6種類。デントクラフトファインフロー図7:フロアブルレジンの溢出部は外科用のスカルペルを使用して慎重に除去。図8:術後。接触点位置の移動により、離開部は封鎖され審美性は改善。明度が高く、単層充填でも審美性に優れている。図3:隣接面歯肉側マージンでの、シュアーコードによる余剰セメント除去が特に重要。図4:余剰セメント完全除去後の本光照射を経て、咬合接触状態の確認。図5:隣接面歯肉側マージン部へのストリップスによる研磨操作から術後。ハイブリッドレジンインレーは歯質と調和し、審美障害は改善された。