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に合わせたソニッケアーの活用法?いたように思います。私が勤務している精神科病院では、患者がプラークコントロールの重要性を理解できない、体が不自由で思うようにブラッシングできない、向精神薬の副作用で唾液分泌が低下しているなどの原因から、カリエスや歯周病が重症化してしまっている患者が多くいます。病棟でのブラッシング介助も十分な状況とは言えず、患者の口腔内環境を改善することに難儀していました(図5)。そこで、入院患者の口腔ケアにソニッケアーを導入し口腔ケアプログラムを変更した結果、大きな効果を発揮しました。手磨きではブラシの角度やストロークなど細かい注意点が必要ですが、ソニッケアーの場合、ブラシを歯面に当てるだけである程度の清掃効果が得られるため、体が不自由な患者でもセルフケアレベルが格段に上昇しました。今までなかなかうまくいかなかったことが、できるようなることにより口腔ケアへのモチベーションアップにつながりました(図6)。また、口腔ケアの重要性が理解できない患者に対しては、磨くことを押し付けるのではなく、器械を使いこなすことを提案することにより、ゲーム感覚で口腔ケアを実践して貰えるようになり、結果として口腔内環境が改善しているケースが多くあります(図7)。また、介助磨きにも変化がありました。患者の個体差に合わせて病棟看護師が口腔ケアをすることは、忙しい業務の中では難しいことでした。また待ち時間が長くなることにより、患者の気持ちや根気が続かずに介助磨き自体が行えないこともありました。そのため、より効率よく介護磨きを実施するために、介助者がソニッケアーを使用した結果、効率的にプラーク除去が行え、結果として口腔ケアに割く時間が短くなったとの声があがっています(図8・9)。このように、ソニッケアーの可能性は健常者だけではなく、看護や介護の現場でも有用であることが示唆されました。厚生労働省の発表では、要介護者のいる世帯は120万8千世帯あり、そのうち、寝たきり者(全く寝たきり、ほとんど寝たきりの者)のいる世帯は35万2千世帯となっています。超高齢化社会の現代、誤嚥性肺炎の死亡率も年々上昇している中、被介護者の口腔ケアはますます重要視されると思います。介助者の手間や時間を短縮させるツールとして、ソニッケアーの新しい可能性が示唆されました。図4その清掃性の高さをチェアサイドでも。図5口腔内疾患が重症化してしまう。術前の口腔清掃やメインテナンス時のプロフェッショナルケアにも、ソニッケアーを活用し、効率的にプラーク除去を行っている。精神科病院病棟患者が抱える口腔内の問題点。図8どう介助磨きをしてよいのか分からない。図9向精神薬の副作用で、唾液の分泌量が低下してしまっている。複雑な手技が不要=口腔清掃の効率化=看護時間の短縮唾液ケアにも有効なツール介助者が使用することにより、歯磨きの介助の負担が軽減した。舌ブラシを使用して、頬粘膜を刺激し唾液分泌を促している。