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概要

Dental Products News212

ラダルポストリムーバルシステムを活用する困難なメタルポストの除去を可能とする“ラダルポストリムーバルシステム”阿部修平和歯科医院?東京都武蔵野市開業1本の歯をできる限り保存するために、歯内療法は開業医にとって大変重要な治療技術である。日常臨床で多いのは主に再根管治療であるが、その成功率は初回根管治療に比べて明らかに低いことが多数報告されている。私たち歯科医師は、この症例数の多い再根管治療の成功率をいかにして上げられるかについて、今後も研究を続けなければならないといえよう。症例1 53歳女性? 5再根管治療症例図1図2タップトレフィンリムーバ図3図4シリコンクッションラダルポストリムーバルシステム(PRS)5再根管治療症例。PRSによるメタルコア除去。メタルクラウンが装着されている。通法によりクラウンを除去、メタルコアが露出した。PRSトレフィンバーが使用できるように歯冠部メタルコアを形成。図5図6図7図8中央に2~3mm程度の突起形態を付与する。形成終了後。突起周囲のメタルは歯質よりも低い位置まで切削する。それにより周囲歯質をアンカーとして、メタルポストだけを引き上げることが可能となる。突起状に形成された歯冠部メタルコア。突起よりもわずかに内径の小さいトレフィンバーを選択し、突起を規格化する。本症例ではPRSのNo.3を使用。図9図10図11図12突起がPRSのNo.3タップ用に規格化された。PRSタップのNo.3を反時計回りにねじ込む。適度な抵抗を感じながらタップが食い込みメタルコアと一体化する。タップは2~3mmで十分であり、過度にねじ込まないように注意する。適切な大きさのシリコンクッションを選択し、歯質の位置まで下げる。リムーバをセットし、くちばし部分がシリコンクッションに少し食い込む程度までリムーバを開く。図13図14図15図16メタルコアと一体化したタップ部分に強い超音波振動を与える。しばらく超音波振動を与えても除去できなければ、リムーバを少し広げて再度超音波振動を加える。この際は決して急がず、じっくり振動を与え続ける。根気強く超音波振動を与え、そしてまた少しずつリムーバを開くという操作を繰り返していると、やがて超音波振動でセメントが剥離してメタルコアが外れてくる。PRSによって除去されたメタルコア。タップを時計回りに回転させると、メタルコアとタップが外れる。メタルコア除去後の口腔内写真。根管壁を傷つけることなくメタルコアが除去された。