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抗血栓薬使用患者に対するオペレーザーの使用法を考える超高齢社会における炭酸ガスレーザーの有用性村上弘愛知学院大学歯学部口腔インプラント科特殊診療科教授日本は超高齢社会を迎えたと言われてから既に10年あまりが経過し、平成25年ついに総人口における高齢者の割合が25%を上回ることになった。平均寿命は男性で約80歳、女性で約86歳になり、今でも伸び続けている。それに伴い、要介護者や寝たきり老人、重度の全身疾患等を有する患者が増加し、歯科医療における患者層や疾病構造が大きく変化しつつある。その中でも、循環系障害あるいはその予防のため、抗血栓薬を服用している患者も多い。そのような場合、担当医師と連携し、患者の全身状態を把握することが重要である。抗血栓薬は休薬することもあるが、休薬によるリスクも大きく服用を継続して観血処置を行うことも多い。通常より、止血時間が長いことを説明するが、出血が続くことによって、不安を訴える患者もいる。最近ではそのような患者に、インプラントの1次手術、2次手術、抜歯時等にレーザーを併用することが多く、極めて有効である。参考文献:1.「人口推計」:総務省統計局(http://www.stat.go.jp/index.htm)2.「日本人の平均余命」:厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/20th/ss01.html)3.超高齢社会におけるデンタルインプラント治療の光と陰:JICD,42(1),40-43,2011.炭酸ガスレーザーによる止血(凝固モード)のポイント抗血栓薬を服用している患者は抜歯窩の表面のみを凝固させても、内部から出血が続いているため、凝固部位が圧力によって持ち上がってくる。そこで、抜歯窩底部から、少しずつ積層するように凝固させることがポイントである。ただし、あまり強く炭化させないことも重要である。レーザーレーザー抜歯窩に表面のみ当てると抜歯窩内の出血によって、凝固層が盛り上がってくる。抜歯窩内の底部から、凝固層を積層することがポイント。症例1:55歳、男性平成13年12月インプラント2次手術脳梗塞の既往のため、抗血栓薬(ワーファリン)を服用中。担当医師に照会した結果、休薬リスクが高いため、1次手術、2次手術ともにそのまま処置。図1図2図3図42次手術前。抗血栓薬のため、出血が多い(メスとオペレーザー併用)。オペレーザーによる止血とヒーリングアバットメント。2週間後、手術部位の治癒は良好。