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ことを記憶しているが、今回、待ち望んだ日本発売となった。我々修練会のメンバーは「口腔内=咬合器上」を実現するため、日々補綴臨床に励んでいる。「口腔内=咬合器上」が実現できれば咬合器上で付与した咬合接触状態がそのまま口腔内の咬合接触状態となり、咬合調整が不要なだけでなく各歯に必要な咬合接触状態を付与することが可能である。ルクサバイトはフローがよく細部再現性が高い。硬化後はボーリングのボールよりも硬い硬度を有し、模型法に準じた咬合器装着が可能である。しかし嵌合している歯列間に応用すると深い裂溝やアンダーカットにルクサバイトが入り込むと口腔内からの撤去ができなくなるか、撤去時に変形を起こすことになるためアンダーカットをブロックアウトするなどの注意が必要である。使用にあたっては3~4歯に限定して応用し、45~60秒後に軽く開口させた後、再度閉口させ最終硬化まで90秒間採得したい顎位を保持するよう指示されている。硬化時間が従来のシリコーン咬合採得材よりも長いため、採得したい顎位を保持し続ける配慮が必要である。硬化後にルクサバイト表面にオイル様の層が生成されるが、アルコールで除去することができる。トリミングはバー類を用いて切削する。咬合採得の方法は時代によって変化していない。しかし使用される材料は進歩している。Material innovationは1つの新材料が臨床を変える可能性がある。我々の技術では対応ができない症例に対し、手助けしてくれる材料の登場は大歓迎である。図6ルクサバイトを介在させて咬合器装着を行った咬合器上で作製したクラウン。図7咬合器装着にオーバイトを応用して作製したクラウン。図8図9クラウンが装着される前の咬合接触状態。ルクサバイト使用で作製したクラウンの咬合接触状態。咬合接触状態がクラウン装着前と同様であった。(矢印参照)図10オーバイト使用で作製したクラウンの咬合接触状態。クラウン部分の咬合接触状態が強く、支台歯前方の咬合接触が少なくなった(矢印参照)。咬合採得時において上下顎歯列間に咬合採得材が介入することで顎位が変化することが報告されている。ルクサバイトを補綴部位にのみ応用することよって顎位の変化がおこらず、「口腔内=咬合器上」を達成することができた。支台歯が嵌合しない上下顎模型は不安定である。そこで採得したルクサバイトを支台歯に装着し、模型法に準じて咬合器装着を行うことで「口腔内=咬合器上」を達成することができた。