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インプラント治療における『ユリー』の活用ー周囲炎予防のスタートはここからー皆川 仁 安藤 昇廣  皆川総合歯科クリニック?東京都羽村市開業新開発のブラシハンドピース「ユリー」を考察する歯面清掃用ハンドピース ユリー図1治療後約8年。下顎前歯部にインプラントが埋入してありメインテナンスに来院。インプラントの抜糸で来院。表面にはプラークが多量に付着している。図9上下ロケーターインプラントオーバーデンチャーのメインテナンスにて来院。上顎前歯部はプラークによる炎症が見られた。図13図5ユリー(図1)によるプラークやバイオフィルムの除去方法は、回転式のブラシによる除去方法とは全く異なる。その方法は音波効果(サブソニック振動)によって除去される。すなわち水流と振動また発泡作用により(図3)歯面や歯肉、また補綴物やインプラントの表面を傷つけることなく、微細なプラークやバイオフィルムの除去をすることが可能である。またハンドピース「ユリー」はヘッドが小さく、さまざまな角度から挿入できるという利点がある。日常臨床においては多くの使用方法があり、実際のケースで解説をしていきたいと思う。まずはインプラントにおける使用方法について解説をする。インプラントは、①長い上皮性付着を持つこと(長い接合 上皮がヘミデスモゾーム結合する)、ファ イバーの付着様式が川状の配列である こと( 外部侵入の細菌感染に対して、 脆弱である)。②歯根膜様式を持たないこと(一度感染し たら周囲に防御機構はなく感染が早い)。③形態学的に2、3根はないこと。等、天然歯とは様式が全く異なる。それに伴いメインテナンスの方法も異なってくる。インプラントにおけるメインテナンスは、先ず第一にユリーによるクリーニングを基本としたい。チタンに付着しているバイオフィルムを除去することがインプラント周囲炎の予防に繋がると確信する。ペリクルおよびプラークやコロニーを早期に除去し嫌気性菌を潜在させないことである。その後、専用のチタン製のスケーラー(ノーデント社 インプラントスケーラー)を用いて、メインテナンスを行なうべきであると考える。ユリーを用いて、インプラント上部構造のプラーク除去を行い、またインプラントと歯肉の間に毛先を挿入し、接触圧を加えずにブラッシングと同じような感覚でゆっくり動かしながら行っていく。また、ヒーリングアバットメントの表面やインプラントオーバーデンチャーのアタッチメント表面に付着したプラークを除去する際にも適している。次に補綴物装着の際の使用方法である。補綴物装着前の歯面清掃や、装着後のセメントの除去が挙げられる。装着前の段階ではプラークの残留が接着力を弱め炎症や脱離の原因となる。また装着後はサルカス内に侵入していると考えられる余剰セメントを完全に除去する必要がある。このときこそが日常臨床で簡単に使える音波効果を用いたユリーの有効利用といえる。ユリーは経験にかかわらず、誰もが簡単に使えるストレスフリーの大切なマテリアルの1つとして、当院の歯科衛生士にも絶大な人気があり、ユニットのそばにいつも置いておくものと実感する。インプラントのメインテナンスインプラント治療の抜糸時オーバーデンチャーのメインテナンス