Dental Products News208

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概要:
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現在市販されているNi-Tiロータリーファイルの中で最も柔軟とされるTFファイルが、術者の操作に追従して変化する高性能回転制御モーターの開発によってシステムとして進化したもの、それがTF アダプティブ(図1~3)です。ファイルの素材は柔軟性と破折抵抗が高いR相Ni-Tiであり、細い根管用(Small:SM図1)として3 種類、中間及び太い根管用(Medium/Large:ML 図1)として3種類の全6種類のファイル構成です。専用のエレメントモーター(図2)は、術者のファイル操作圧に応じて回転を変化させる高性能テクノロジーを採用(特許)、軽負荷時は600°の正回転後に一瞬停止0°し、再度600度の正回転と停止という特殊な正回転運動を繰り返し(600°ー0°の正回転)、ファイルに負荷がかかると正回転角度は370°となり、その負荷に応じて最大50°までの逆回転を含む反復回転運動を繰り返します(370°ーMax50°の反復回転)。まさに術者一人一人の異なる操作に適応(アダプト)することにより、ファイルに過剰な負荷がかかることを防ぎ、それによってファイルの破折を予防するのです。通常の600°ストップモーションによって得られる利点は、根管内においてファイルは常に動かして使用することから、歯質に噛み込んだ際に発生するトルクがそのファイルの動きによって解除されやすく、ファイルの伸びや破折を予防する効果が得られる点です。TF アダプティブは、こうしたこれまでにはない一歩進んだテクノロジーによって、治療の安全性を高めたシステムであることがわかります。さらに、ファイルサイズに対応したペーパーポイントとガッタパーチャポイントが用意されていることも、システムとしての完成度の高さを表しているといえます(図3)。ファイルはISO規格と異なる色のマークが付与されていますが、それは世界共通の信号機色に合わせています。SM、ML共に青(進め)から使用し、次に黄(注意)、そして赤(止まれ)で根管拡大を終了するということです(図4~2 2 )。使用方法はすべてのファイルをW L(ワーキング レングス)まで到達させて拡大を行う所謂「Single length technique(シングル レングス テクニック)ないしはFull workinglength technique(フル ワーキング レングステクニック)」と呼ばれる操作法です。通常は3本のファイルで根管拡大を終了するというシステムですが、ケースバイケースでSMとMLを組み合わせて使用することにより、臨床におけるすべての根管に対応可能です(図23~26)。特にML3(#50/.04)ファイルという太い番手が用意されていることから、再根管治療においても幅広くNi-Tiロータリーファイルによる安全な根管拡大形成が可能となったといえるでしょう(図31~42)。特にファイル先端部の柔軟性は特筆すべきものがあることから、臨床における湾曲根管を含む全ての症例に対して、同じシンプルな操作方法で対応可能な優れたファイルであると考えられます(図27~30)。TF アダプティブの臨床応用阿部 修 平和歯科医院/東京都武蔵野市開業図1左3本が細い根管用 S M 1(青): # 2 0 / . 0 4テーパー S M 2(黄): # 2 5 / . 0 6テーパー S M 3(赤): # 3 5 / . 0 4テーパー右3 本が中間及び太い根管用 M L 1(青): # 2 5 / . 0 8テーパー M L 2(黄): # 3 5 / . 0 6テーパー M L 3(赤): # 5 0 / . 0 4テーパーの全6 種類で構成されている。図2 図3TF アダプティブ(.04、.06、.08)による根管拡大形成にマッチした形態のペーパーポイントとガッタパーチャポイントが、システムとして揃っていることも魅力である。ペーパーポイント術者のファイル操作圧に応じて回転を変化させる高性能モーションテクノガッタパーチャポイントロジーを採用( 特許)。軽負荷時は6 0 0 °の正回転後に一瞬停止0 °し、再度6 0 0 °の正回転と停止という断続回転運動を繰り返し( 6 0 0 °ー0 °の正回転)、ファイルに負荷がかかると回転角は3 7 0 °となり、その負荷に応じて最大5 0 °までの反復回転運動を繰り返す( 3 7 0 °ーM a x 5 0 °の反復回転)。術者一人一人の異なるファイルの操作圧に適応(アダプト)することにより、ファイルの疲労や破折を予防し、治療の安全性を高めている。このモーターは、従来の他ファイルにも対応可能である。軽負荷時正回転 600°370°50°負荷時正回転 370°逆回転 最大50°600°0°TF アダプティブ ファイルTF アダプティブ エレメントモーターSM1 SM2 SM3 ML1 ML2 ML3モーターの動き術者に適応(アダプト)する根管治療