Dental Products News208

Dental Products News208 page 11/28

電子ブックを開く

このページは Dental Products News208 の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
Dental Products News208

まで挿入するのに抵抗感があるようならSMファイルを、抵抗感がなければMLファイルを選択する。根管治療中に起こり得る偶発症で特に厄介なことは器具破折、レッジ形成、そして切削片の根尖孔外への押し出しによる術後痛の発生である。しかし前述のようにエレメントモーターは根管形態やファイルにかかる負荷に応じて回転する角度が「常に」変更されるため、偶発症が起こりにくくなっている。直線的な太い根管などのようにファイルに負荷がかからなければ600度以内の範囲で切削効率の高い正回転のみで根管形成する設定である。しかし湾曲した細い根管などで負荷がかかる場合は時計回りに最大370度から反時計周りに最大50度の範囲で回転をするように設定されている。それでいて切削効率はTF アダプティブと比較しても変わらない結果がでているのでありがたい限りである。これはTF アダプティブにかかる負荷を自動制御した無駄のないレシプロ回転が大きく貢献しているはずである。さらに正回転から逆回転へ切り替わった時にほとんど衝撃を感じないので切削効率と安全性の高さが裏付けられている。また他社のレシプロファイルは術者がモーターの回転に合わせてハンドピースの動きを調整しなければならないのに対し、TF アダプティブでは術者の動きに合わせてエレメントモーターがハンドピースの動きを自動調整してくれる点も大きなアドバンテージといえる。この他にエレメントモーターはTF、K3/K3 XFなどのファイルにも専用設定が登録されている。またマニュアルモードもあるので他社のファイルを用いる場合でも対応可能である。【TF アダプティブによる抜髄方法】①LA アクセス ダイヤモンドバーなどにより根管口まで直線的に拡大形成する。②#8~#15のKファイルを用いて穿通しGlide Pathを形成する。③根管の大きさに合わせSMファイルもしくはMLファイルを選択する。④青のファイルをゆっくりと根管内へ挿入し切削抵抗を感じたら引き抜く。⑤切削片を拭き取り根管洗浄する(作業長に到達するまで④⑤を繰り返す)。⑥黄色のファイルを用いて④の処置を繰り返し作業長まで形成していく。拡大した根尖孔径が十分な大きさに達しているならここで終了する。拡大不十分であれば赤のファイルを用いて④と⑤の処置を繰り返していく。この後は根管洗浄し根管充填へと移行する。参考文献1.2.3.4.5.6.De-Deus, E. J. L. Moreira, H. P. Lopes & C. N. Elias. Extended cyclicfatigue life of F2 ProTaper instruments used in reciprocatingmovement. Int Endod J. 2010 Dec;43(12):1063-8.You SY, Bae KS, Baek SH, Kum KY, Shon WJ, Lee W. Lifespan ofOne Nickel-Titanium Rotary File with Reciprocating Motion inCurved Root Canals. J Endod. 2010 ;36:1991-4Burklein S, Schafer E. Apically extruded debris with reciprocatingsingle-fileand full-sequence rotary instrumentation systems. JEndod. 2012;38: 850-2.Gambarini, G., Sudani, D.A.L., Di Carlo, S., Pompa, G., Pacifici, A.,Pacifici, L., Testarelli, L.Incidence and intensivity of postoperativepain and periapical inflammation after endodontic treatmentwith two different instrumentation techniques. Europ. J.Inflam.2102 ; 10 :99-103.Gambarini G, Testarelli L, De Luca M. Milana V, Plotino G, GrandeNM, Giansiracusa A, Al Sudani D, Sannino G. influence of threedifferent instrumentation techniques on the incidence ofpostoperative pain after endodontic treatment . Annali diStomatologia 2013:1; 138-41Gambarini G. Influence of a novel reciprocation movement onthe cyclic fatigue of twisted files ( TF) instruments.Healthcare learning website.www.healthcare-learning.com London october 2012.症例27 術前X線写真#10 Kファイルによるグライドパス(Glide Path・予備拡大)形成。TF アダプティブ SM1により根管形成。MB根管はS字状である。CBCT Sagittal View CT画像からもMB根管がS字状に湾曲していることがわかる。システム Bを用いてオートフィット.06テーパーのガッタパーチャポイントにより根管充填。7 S字状の湾曲根管を根管形成した症例症例34 術前のX線写真湾曲部前にレッジを認める。TF アダプティブSM1(青)による根管形成システム Bを用いてオートフィット.06テーパーのガッタパーチャポイントにより根管充填4 レッジのある湾曲根管を根管形成した症例症例44 ML3で根管形成、根管充填 5 SM2で根管形成、根管充填。Gianluca Gambarini先生の症例