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TF アダプティブの臨床評価寺内 吉継 CT&米国式根管治療センター/神奈川県大和市開業新開発のTFファイルを考察するTFに続き今回TF アダプティブが新たに発売された。この二つのファイルの構造に基本的な違いはないが、TF アダプティブ専用モーター(エレメントモーター)が開発された点と使用するファイルの本数が2~3本で済むようになった点が新しい。近年他の大手海外歯科メーカーよりレシプロ回転(反復回転)専用の根管形成ファイルが登場して話題を呼んだ。これはレシプロ回転により器具への負荷が減り器具破折とレッジ形成、そしてねじ込み現象が起きにくくなったことの利点があったためである。しかしレシプロ回転する角度(-150度⇔+30度など)が常に固定されているため使い方と根管形態により依然として器具破折が起こることと切削片の排出率と切削効率が従来のNi-Ti製ロータリーファイルよりも悪くなってしまった。特に固定されたレシプロ回転の根管形成では正回転のみのそれと比べると有意に切削片を根尖孔外へ押し出すことと、これに起因する術後痛が報告されている。このためかわずか1年後には正回転用の新たなファイルが発売され上記のレシプロ回転ファイルはやや廃れてしまった。今回開発されたエレメントモーターは根管の状況に合わせてレシプロ回転角度が自動調整され、更に使用するファイルは2本もしくは3本で根管形成終了できるようになっている。TF アダプティブでは、信号のように青、黄、赤に塗られた3本のファイルで根管形成をしていく。青で始め、黄色では止めるか継続し、赤で止めるという意味がある。小さい根管には青のSM1ファイル(#20/.04テーパー)そして黄色のSM2ファイル(#25/.06テーパー)、最後に赤のSM3ファイル(#35/.04テーパー)で形成していく。中~大きめの根管にはML1ファイル(#25/.08テーパー)そして黄色のML2ファイル(#35/.06テーパー)、最後に赤のML3ファイル(#50/.04テーパー)を使用する。根管が小さいか大きいかの判断はネゴシエーション(Negotiation・穿通のための処置)時に#15のKファイルを作業長図1症例1TF アダプティブ 27mm SMファイルセット7 の術前X線写真TF アダプティブ SM2ファイル(黄色)による根管形成。システム Bを用いてオートフィット.06テーパーのガッタパーチャポイントにより根管充填。歯科用CT ファインキューブファインキューブ画像図2TF アダプティブ 27mm MLファイルセット図3エレメントモーター7 60度以上の湾曲根管を根管形成した症例