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提案審美修復治療に3次元情報をどう活用するかユーザーインタビュー●千葉豊和先生千葉歯科クリニック/北海道札幌市開業ファインキューブ歯肉退縮はなぜ起こるのか?今回、「審美修復治療時」にいかに3次元画像が有効であるかについて提案させていただきます。今まで審美修復治療を行うにあたり、メーナードの分類が指標の一つでした。歯肉と歯槽骨の厚みによって1~4のどのバイオタイプかによって将来の歯肉退縮を引き起こさないよう対処します。また生物学的幅径なども考慮すると、歯の挺出やGBRなどで骨幅・高さを増やすことで歯肉の増大も図れ、審美修復治療が行えると考えてきました。しかし、厚いとは何mmのことなのか?日本人の歯肉はどこまで分類できるのか?という疑問もありました。『ファインキューブ』導入後この2年間、3次元的に唇側骨と歯肉退縮の経時的変化を観察してきました。まだ長期症例とは言えませんが、唇側骨がなくても歯肉退縮を起こさないケースに遭遇し、歯槽骨はもとより、それ以上に歯肉の厚み・量が歯肉の安定を考えた場合、重要であることが推察されました。ということは、遊離歯肉移植術、有茎弁移植術などが大変有効な術式であることがわかります。唇側骨が十分にあれば、予知性が高いことは周知の通りですが、今後、補綴設計は骨と歯肉の厚みを具体的な数字で把握することが、3次元データから読み取ることができるでしょう。オベイドポンティックの予知性は?1歯欠損の場合、インプラントかブリッジか、最良の方法とは何か?悩むところです。もちろん正しい情報提供と患者さんの希望が優先されますが、ブリッジの予知性・審美性はインプラントよりも劣るのでしょうか?オベイドポンティック部分の骨をCTで観察すると近遠心的にはオベイドの形態にそって、頬舌的には凸型に骨再生がされていることが判ります。これを診る限り、オベイドポンティック部分はきちんと骨再生がなされ、予知性も高いことが判ります。3次元での経時的変化を長期にわたって観察していくことは、私たちの現在の歯科治療常識を覆し、治療の選択肢が変わっていくのかもしれません。今や3次元での診断なしに治療計画を立てることに恐怖と感じるほど、『ファインキューブ』はなくてはならない機器となりました。これから数十年にわたって歯科治療に携わっていこうとお考えの先生には、なるべく早い段階でCT設置をお勧めします。より安心・安全な治療、患者さんからの信頼感は、自院を守ることにもつながるのですから。Type1 Type2 Type3 Type4初診時8年後骨幅・歯肉とも増大な場合歯肉退縮は起こらない骨幅が増大だが歯肉が薄い場合歯肉退縮は起こりにくい骨幅が少ないが歯肉が厚い場合歯肉退縮は起こりにくい骨幅・歯肉とも少ない場合歯肉退縮は起こりやすい図1:Maynardの分類3次元的な評価、具体的な数値を把握できれば、さらに治療の選択肢は広がっていくだろう。図2:1 2をオールセラミッククラウン装着後8年。歯肉退縮を起こしていない(写真下)。図3:歯槽骨は薄いが、十分な軟組織の厚みによって良好な術後を維持している。図4:術後11年。1 1オベイドポンティックは、近遠心的にオベイドの形に沿って骨再生がされている。図5:頬舌的には凸型に骨再生され、審美性・予知性ともに高い治療であることが判る。図6:ファインキューブ導入後、さまざまな情報を得ることができるようになった。