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オペレーザーのそこが知りたい!Q&Aオペレーザーを使いこなす!先生方の症例写真・コメントは、ご経験に基づくものであり、効能効果を保証するものではありません。添付文書・取扱説明書をお読みのうえ、必ず適切な診断、責任のもとでご使用ください。松延允資先生福岡県京都郡開業九州大学歯学部卒業船越歯科歯周病研究所講師船越栄次先生福岡県福岡市開業九州大学歯学部臨床教授日本歯周病学会常任理事ITI section Japan Chairmanアメリカ歯周病学会名誉会員2011年度のR&Dの調査によると、全国68,000件の歯科医院に対し35,000台のレーザーが出荷されているとのことです。もちろん1歯科医院が複数台のレーザーを所持している場合もありますが、単純計算で約5割の歯科医院にレーザーが導入されていることになります。国内においてレーザーの普及率も高いのですが、その6割以上を炭酸ガスレーザーが占めています。船越歯科医院においても、2006年末頃より縁あってヨシダの炭酸ガスレーザーであるオペレーザーLiteとオペレーザーPROを導入する機会を得ました。導入した当初は、レーザーの効果に対し懐ベルレーザー治療(LLLT)に関しては不明な点もありますが、炭酸ガスレーザーのLLLT作用により毛細血管や線維芽細胞の活性化が起こることが証明されていますし、骨の再生も促すとのデータもあります※。レーザー治療を行う場合には、このLLLT作用を効果的に用いることが必要です。レーザーの使用に際しては、「この症例にはこのモードで何W、何秒照射する」のではなく、どの層を利用したいのかイメージした上でモードを選択し、照射時間は照射部位の生体の反応(炭化・血液凝固・蛋白変性等)を見て決定しています。疑的であり、使用しないよりは使用した方が少しは役に立つであろうという程度の認識でした。しかし、実際の臨床にレーザーを応用してみると、非常に有用なものであるという実感を得ることができ、現在では多くの症例に使用しています。炭酸ガスレーザーの特徴としては、水分に90%以上が吸収されるため、Nd:YAGレーザーと比較し、侵襲は組織表層(約0.5mm)で深部に到達することがありませんので、臨床において安全に用い切開2.0W, CW ,CON, COOL / ON図1使用例歯肉切除術小帯切除口腔前庭拡張術インプラント2次手術ることができます。また、炭酸ガスレーザーの波長が10.6μmとなっており、遠赤外線領域にあります。そのため遠赤外線効果により治癒の促進が期待されます。また、ヨシダの炭酸ガスレーザーであるオペレーザーに関しては、緑色の鮮明なガイド光のため口腔内でも照射部位が分かりやすく、非接触タイプですので清潔に使用することができます。切開・蒸散1・凝固(図1~3)のモードが設定されていますので、細かい設定を行う必要がなく簡便に使用できます。レーザーを組織に照射した場合、照射点から離れるほど光の密度は低くなります。図4はレーザーアップルと呼ばれ、表層の炭化層から深部の活性化層まで温度の違いによる層ができるとされています。その層の違いにより、レーザー治療には、炭化層から蛋白変性層までの不可逆的反応を用いた高反応レベルレーザー治療(High reactive Level Laser Treatment:HLLT)と、活性化を促す低反応レベルレーザー治療(Low reactive Level LaserTreatment:LLLT)とがあります。臨床において、高反応レベルレーザー治療(HLLT)は歯肉の切除等に用いられます。低反応レ蒸散13.0W, SP1 ,REP 2/1000, COOL / ON凝固1.0W, CW ,CON, COOL / OFF低反応レベル高反応レベル炭化蒸化血液凝固蛋白変性活性化使用例口内炎褥瘡性潰瘍軟組織への応用齲蝕処置への応用図2図3使用例抜歯窩への応用縫合部への応用移植供給側への応用細胞遮断膜としての応用図4※参考文献:波利井清紀監修:レーザー治療最近の進歩,138