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ガッタパーチャポイントの適合性を考察する側方加圧根管充填を確実に行うためにその3―システム化が可能となった根管充填―ある。この組み合わせでアクセサリーポイントを挿入、追加していくことで、確実な側方加圧根管充填ができ、システム化した術式が可能となったと言えよう。側方加圧根管充填の実際根管形成された根管に対してメインポイントを選択するが、最終拡大号数に合わせることが原則である。次にメインポイントを根管内に試適し、牽引抵抗があることを確認する。この時、牽引抵抗が得られなければ号数を上げるか、ポイントの先端を0.5mm切除して根管に合致させていく。加藤らに3)、4)よると側方加圧根管充填で最も大切なことは、ガッタパーチャの加圧変形にあるとされている。メインポイントで根尖部を閉鎖した後に、スプレッダーを挿入することでガッタパーチャは根管壁に圧接されると共に、挿入したスプレッダーの圧痕がその表面につく(図3)。すなわち、根管内にはスプレッダーの規格形態のスペースが生じることになる。このス次のアクセサリーポイントの挿入余地を作っていく。これを順次繰り返していくことで緊密な根管充填が可能となる。ところが、図4に示したようにスプレッダーで設けたスペースにアクセサリーポイントが適合しなければ死腔を形成してしまう。次にD11Tの圧痕とアクセサリーポイントJ-FMの適合(図5-1)と、4SPの圧痕とアクセサリーJ-M(図5-2)・J-XL(図5-3)の適合状況を示した。このようにスプレッダーの圧痕とアクセサリーポイントが合致している。しかし、4SPとJ-LMを適合させてみると(図5-4)、先端部はある程度合わせることができても、メインポイントとアクセサリーポイントが密着していない。D11TとJ-Mを適合させた場合でも(図5-5)圧痕の先端部に死腔が存在している。また、他社のアクセサリーポイント大との適合状況を示した(図5-6)。従って、アクセサリーポイントがこのスペースに一致するか否かは、緊密な根管充填ができるか、死腔を形成しての充填となってしまうかが決定されるとも言えよう。ガッタパーチャが可塑変形できない分岐部や側枝を充塞させることを目的とする。従ってガッタパーチャは、加圧によって追加填塞で自身が変形していくことでシーラーを充填するとも言えるのである。以上の事柄から、緊密な根管充填は根管の彎曲があっても、スプレッダーが深部まで挿入可能であることと、そのテーパーに合致したアクセサリーポイントがあって、初めて成り立つものである。もし、これから器材を揃えようとされる方は、スプレッダー3種類とアクセサリーポイントとして、必要最小限として、アソートを用意すれば、J-FMとJ-Mの双方準備できるので便利であろう(図6)。最後に本システム化での根管充填の症例を供覧する(図7~9)。以上、ノーデント社製Ni-Tiスプレッダーと今回発売されたメタバイオメイト社製ガッタパーチャによってシステム化され、緊密な側方加圧根管充填が可能になったと言えよう。そして今更ながら思うこと、「どうしてこれまでこのシステムがなかったのだろうか」。ペースに合致したアクセサリーポイントをスプレッダーの先端の位置まで挿入し、またスプレッダーを挿入することでガッタパーチャを根管壁に圧接させると共に圧痕を形成し、また、根管シーラーは、メインポイントとアクセサリーポイントの隙間を埋めるものではなく、根管壁とこれらのガッタパーチャポイントの微少な空隙を満たしていくもので、●参考文献1)森川公博:側方加圧根管充填法を確実に行うためにその2―髄室開拡から根管形成までの要点―;DPN195,19~21,2012.2)森川公博:側方加圧根管充填法を確実に行うためにその1―スプレッダーの使い分け―;DPN192,10~11,2012.3)加藤広之、淺井康宏:東京歯科大学で行われている歯内療法の術式.東京都歯科医師会雑誌,48:191~202,2000.4)加藤広之、中川寛一:根管充填~根管閉塞技法の現状3.側方加圧充填法の加圧効果と実態,歯科学報,103,231~233,2003.図7図8図934歳女性6抜髄根管充填76歳男性6抜髄根管充填48歳女性4 3感染根管充填(REENMA5730を使用)